高齢者の増加が急速に進む日本においては、当然のことながら相続の件数も増加しています。 また、2018年の相続税の課税割合(亡くなった人のうち、相続税課税対象の人の割合)は全国で8.5%。 東京都だけでいえば、およそ6人に1人が課税対象となっています。 (※国税庁「相続税の申告状況について」に基づいて当協会にて算出) それにともない、家族同士で遺産分割を巡る争い、いわゆる“争う族”の増加も問題になっています。 裁判所に持ち込まれる相続を巡る調停・審判の件数も年々右肩上がりです。
“争う族”の一般的なイメージとして、富裕層だけの問題だと想像する人も多いでしょう。 しかし、財産の規模に関わらず、むしろ全体の割合では遺産額1000万円以下が33%、1000~5000万円以下が43%となっており、遺産分割のトラブルは遺産額5000万円以下の世帯が全体の7割以上を占めている現状なのです。 (平成30年度司法統計年報(家事事件編)より)もはや他人事ではないのです。
「子どもや家族に財産を残したい」多くの人はそう望んでいるでしょう。 一方で、実際の相続財産の内訳をみると、預貯金や有価証券といった金融資産が46%となっていますが、 分割が難しい土地や建物などの不動産も40%を占めています。 (※国税庁「相続税の申告状況について」に基づいて当協会にて算出) 不動産をはじめ、遺産分割を巡る争いが増えている現状ですが、遺された家族が争うことなく、いかに財産を引き継いでいくか、その準備である終活は、家族に対する責任と愛情ともいえます。
終活には様々な方法があります。 終活の代表格、最善策ともいえる遺言を作成する人は10人に1人(10%)といわれています。 増えてきたとはいえ、まだまだ少ないのが現状です。 遺言作成などを通じて大切な家族と財産を守っていくのと同時に、これまでの人生を振り返り、 そしてこれからも自分らしく生きていくことこそ、終活の最大の目的です。 難しく考えずに、まずはできることから、小さな一歩から踏み出してみることが大切なのです。